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舞台を観るのが生き甲斐なヅカ&ジャニオタ

全部ひっくるめて好き!な宝塚作品10選

こんなご時世なので、ちょっと好きなものについてひたすら語ってみようと思います。
先日友人からお題を投げられた「脚本・キャスト等全部ひっくるめて好きな宝塚作品10選」。

・・・まぁ10作に絞れてないんですけどね←

とりあえず、「生で観劇したもので」というしばりかけます。
言っとくけどながいよ!!!暇つぶしに。スカステ録画や円盤購入の参考に。ぜひ。

(以下、一部敬称略/愛称で失礼します)(特記していないものは大劇・東京宝塚公演です)



1:ファントム(2004宙組
これは何回再演しても初演が神キャスト…!
各キャスト、新たな発見もあるんだけどやっぱり初演が神。
和央ようか花總まり樹里咲穂安蘭けい…ってよく集まったなこの歌うまキャスト。*1
再演ではキャリエールの背景を説明するセリフが追加されて伝わりやすくなってるんですが、説明がなくてもねじ伏せる樹里さんの名演で。
大きい瞳がキラキラな、ピュアで少年のようなたかこさんエリック。
お花様と瞳子さんの見目麗しいかわいらしい同期カップル。
なんせもう歌が!歌うま!!!
宝塚でまじのショーストップが起こりかけたという伝説の公演。いやほんとすごかった観れて良かった…。

ちなみにオサさん版は彩音ちゃんクリスティーヌが歴代一番「母性」を感じるところ、
蘭とむさん版はなんといっても同期のエリキャリ銀橋が見ごたえあったなー。

だいもん版は…未見なんですが…あんな純粋無垢エリック、見たら好きしかないやん絶対…←



2:メランコリック・ジゴロ -あぶない相続人-(2007花組中日)
当時のご贔屓ゆうちゃんのプレお披露目。
その後再演も何度となくされてるし、もちろん初演のヤンミキさん版もあるんですが、
あれです「最初に見たものを親だと思う習性」ってやつで。まとえり彩音版のキャストが個人的に最強だと今でも思っています。

なんせ、
どっちかいうと線の細めな可愛い系・少年系の役が多かったみわっちがフォンダリ、
知的でスタイリッシュな役が多かったまっつがバロット、っていう配役の妙ですよ…これはちょっとそうそう上回れない…。

でも作品自体楽しいんで何回再演されても楽しめますけどね(^^)



3:舞姫 -MAIHIME-(2007花組バウ)
みわっちの主演バウ。評判良くて翌年異例の再演東上になりました。
評判良すぎてチケットなくて、ダメ元でさばき待ちしてたら開演2分前に奇跡的に譲ってもらえて駆け込んだ思い出。
みわっち、すみか、まっつ、みつる…ってうん芝居巧者しかいねぇなこれも。

ふわっと結末に触れてしまいますが、
みつる演じる原芳次郎が、ラスト近く、異国の病床で日本の食べ物を「食べてぇなぁ…」と涙を流しながら想起する場面。
初めて、客席にいながらにして「その役が見ている風景が、見える」という経験をしました。
日本の食べ物、それがある日本の風景が、ほんとうにありありと目に浮かんでくるようだった。



4:太王四神記 -チュシンの星のもとに-(2009花組
5:虞美人 -新たなる伝説-(2010花組
ゆうちゃんの大劇2作目と4作目の作品。
ゆうちゃんは…ぶっちゃけ、大劇作品に関しては「当たり」と「ハズレ」の差が激しかったトップ時代で…(苦笑)(外箱は当たりが多いと思う)
その中では「大当たり」な、ファン人気も高かった2作品。
どちらも古代の東アジア(高句麗/楚)が舞台の壮大な作品ですね。

どっちも大好きだけど、太王四神記は「キャスト全員が好き」、虞美人は「とにかく彩音ちゃんが好き」。
太王四神記は、ゆうちゃん演じるタムドクが、やや辛い境遇だけど純粋に育った王子、ゆーひさんは悪役として生きざるを得ず、後戻りできなくなって悪を貫くしかない悪役冥利に尽きるカッコよすぎる悪役。その二人が取り合うのが重い運命を背負わされた彩音ちゃんの役。
えりたんが黒幕のわっるい魔術師っていうのも新鮮で。

虞美人は、ゆうちゃんが項羽、えりたんが劉邦項羽はやや強引でこうと思ったら人の意見を聞かないカリスマ性のある支配者、
対して劉邦は自由奔放で楽天的にも見えるけど優れた知将の意見を取り入れて漢を統一した支配者。
まとえり、一見逆の持ち味っぽいけどこの配役ってのが木村先生、深いなー。
そして、ちょっと残虐性も持ってる項羽がプライベート面では虞と一途な愛を貫き、
大衆人気のある劉邦が、奥さんにはあんまり恵まれてない…ってのも面白い作品。

まとえりは、「恋愛関係じゃない」「許されざる恋」「絵にかいたようなキャッキャウフフなカップル」とひととおりやってるコンビなんですが、
彩音ちゃんの退団公演のこの虞美人では、満を持して(事実上の)一夫一妻関係の夫婦。
戦場にまで付き従い項羽を支え、時には鼓舞したり、聡明さを発揮したり…の彩音ちゃんが、本当に強く美しく、そして儚げで。
運命を覚悟したラスト近くの虞美人の剣舞、本当に美しい舞台姿でした。退団を決めたジェンヌさんというのは、こんなにも輝くのか…と、ただただ美しさに泣いた経験というのもこのときぐらいかも。



6:翼ある人びと -ブラームスクララ・シューマン-(2014宙組DC/青年館)
まぁくんの芝居に落ちた作品!
あとうらら様が…美。

ラスト近く、ロベルトに問われて「上には何が見える?」「…空が」と答えたヨハネスのおっきなおめめに、綺麗な綺麗な空が映っているのが確かに見えました。
「役が見ている景色が見える」と感じた体験は舞姫のみつる以来。

…あ~久しぶりに見たくなってきたな。



7:星逢一夜(2015雪組
翼~からの星逢のウエクミ先生はとにかく「紡ぐ言葉が美しい」って感じ。
晴興たちが幼き日の星逢の空を思い出して見上げる場面も、風景が本当に目の前に広がるように感じられて印象的でした。

今の季節に見返すならこっちか~。



8:Shakespeare -空に満つるは、尽きせぬ言の葉-(2016宙組
なんだろう…こう言っちゃうと元も子もないんですが、
ウィリアム・シェイクスピアという人物像、宮廷内の当時の人間関係、
時代の流れ、
演劇のなりたち、
そしてウィルとアンの運命的な恋から夫婦愛・家族愛、からのエリザベス女王という人物。
めちゃくちゃいろんなものを盛り込んだ末の、「生田くんの"引き算"の奇跡的な成功例」じゃないですかこの脚本www*2

まかうらの怪しい夫婦も良いし、コマさんも言わずもがなだし、
なんつっても、「まぁみり」で一番好きな配役はこれかもしれない~。
冬物語になぞらえたラストの夫婦愛のくだり、良いですよね…。



9:神々の土地(2017宙組
なんかもう世界観も好きだし、キャストのビジュアルも神だし、
そして、歴史、政治、
人の弱さ、醜さ、暖かさ、美しさ…等々いろんなことを考えさせられてしまう作品。
観るたびに、そのときの自分の心情や置かれている状況によって感じることもちがう。
何年、何十年経っても見返しているだろうなぁと思う、私の中でのここ数年での最高作品です。

「翼~」といいこの作品といい、
どちらかというと「陽」「夏」のイメージのあるまぁさまに、あえて「秋~冬」のイメージで作品を書くウエクミ先生のセンスが本当にわたしと満場一致(?)。
暗くて影のある役のまぁさまが好きやねん…(マイノリティなのは重々承知)
頑張ってラスプーチン倒すのに、結局ロシアを追われて流浪の人生を送るドミトリーを主人公に立てるとか普通思いつく?
ロマノフ王朝を主題にしといて、あえてのその人物よ???

そしてもう隠さずに正直に白状しますが、ずんちゃんに完落ちしたのはこの作品でした。
近衛士官→ゾバールの早変わり。
髪型やお衣装はもちろん、目の色、放つオーラまで一瞬のうちに別人として現れて、コサックダンスで場を支配したあの瞬間です。
同じ顔の近衛士官くんとゾバールくんと、腹違いor双子の生き別れの兄弟だというサイドストーリーでいつかひと記事書きたい←
ラストシーンで、メインキャストのうちゾバールくんだけ群舞にいない(ずんちゃんは影ソロ担当)のは、絶対にウエクミ先生の演出上の意図があるはずだと信じています←



10:追憶のバルセロナ(2019宙組
これ初演が大好きだったんですよ…。と言ってももちろん映像でしか見てないんですけど。
かつてまだヅカ初心者で、スカステ加入してまもなく、片っ端から舞台作品見て&録画してた頃に、たまたま見たのが2001年雪組のしかも新公。
えりキム他、当時(2005年頃)の知ってるジェンヌさんがいっぱい出てる~と思って見始めて、脚本も面白くて。
「ヘタレなんだけどものすごく実直にヒロインを愛する」男役像が、えりたんに似合って似合って(新公なんだけど)。
脚本が好きすぎてあとでちゃんと本公も観ましたが、本公のジェンヌさんはその頃にはもう退団してしまっててリアルタイムで知らないジェンヌさんが多いってのもあって、どうしても先に見ちゃった新公の印象がすごく強くて、
未だに会話してると新公と本公の配役がごっちゃになっちゃいますw

「悪い人が出てこない」正塚作品の真骨頂のような作品で、
(以下、宙組の配役で話しますねw)
まかキキがまいあちゃんを巡って三角関係、
まかずんがまどかを巡って三角関係(そんなんじゃねぇ、ってロベルトに言われそうですが)、って5人絡むなら誰かひとりぐらい「嫌な奴」がいてもよさそうなのに、いないところがすごい。
(悪い人はフランス側のりんきらさんとかもんちさんですね)
婚約者のまかさんを失った(と思ってる)まいあちゃんに救いの手を差し伸べるキキさまは、最初はまかさんへの義理とか恩でなんだろうけどちゃんとまいあちゃんを愛し抜くし、
罪悪感を感じつつ、まぁその時代ならそうせざるを得ないよね…なまいあちゃんが、キキさまのことでまかさんに頼らざるを得ない切ない苦しい状況に持っていく脚本が秀逸…!
まかさんも、まいあちゃんはあくまでも親の決めた許嫁なんだけど、ちゃんと愛しているから苦悩するし。
ここでずんちゃんがまどかちゃんに片思い、とかならまたチープだったと思うんですよ。あえて、恋愛感情ではない、大事な存在…って描くのがまた。深い。
そしてずんちゃんがちゃんとららちゃんとくっついて消えていく(でもちゃんとそこまでに経緯があるし、唐突ではない)のが宝塚らしくてハッピーで良いんですよね…聞いてる田渕くん?*3

いやほんと18年間再演されなかったのが謎なぐらい良い作品よ…?
まぁ、これもともとW二番手として作られてる作品で、
だから主人公の恋敵のアントニオが妙に出番少ないし、三番手格のロベルトが妙に見せ場あるんだよね…
この頃は主演→W二番手っていうバランスの公演が多かったけど、最近は主演→二番手→三番手クラスが複数…ってのが多いので、そこらへんのバランスの問題なんだろうなー。



…ということで、10作品。
「まぁさまとウエクミ先生強ぇな…!!!」って感じでしょうかw
もともと「贔屓」になるひとは「芝居で好きになる」からな~。

なお「生で観劇したもの」っていうしばりを外すと、
・長い春の果てに(2002月組)←蘭とむさん版も観たけどやっぱ初演がいい!でもまかまどでも観てみたい!
・THE LAST PARTY -S.Fitzgerald's last day-(2004月組/バウ)←2004年に月ゆひるい、宙たにみほで初演。2006年に月ゆひみほ、宙たにるいで再演東上。私が観れたのは東京のゆひかなだけど個人的神キャストは月ゆひるい版。
…が入ってきて絞りきれなかったりしますwww

あ、エリザベートは殿堂入りということで選外←

長々とお付き合いありがとうございました…!
余裕があったらショー10選も書く(かも)。

*1:90周年記念の二番手シャッフルの一環でした

*2:生田せんせーは引き算で失敗する…たいてい…

*3:相続人の肖像のベアトリスを幸せにしなかったことを一生根に持ってます